2021年9月16日木曜日

テニスとアナトミートレインの関連性について②〜SBL〜

どうもかっちゃんです🦍

さて、前回アナトミートレインの概要を紹介致しましたので、
今回はSBLという筋膜ラインについて特徴と働き、そして混雑しやすい場所の紹介を致します。前回の記事を読んでいない方は是非読んでからご覧ください♪




早速SBLの紹介をします。






SBLは、Superficial Back Lineの略称で、直訳すると「浅層の背中の路線」になります。
足裏から下肢後面を上行して仙骨を超えて背中を通り、後頭部を超えて前頭部まで繋がっています。これは左右の足裏から始まるので2本あります。






詳細に紹介すると

骨の駅


筋膜の路線

前頭骨・眼窩上隆起

13



12

帽状腱膜

後頭骨稜

11



10

腰仙椎筋膜・脊柱起立筋

仙骨

9



8

仙結節靭帯

座骨結節

7



6

ハムストリングス

大腿骨顆

5



4

腓腹筋・アキレス腱

踵骨

3



2

足底筋膜・短趾屈筋

趾骨底面

1




この路線は、姿勢を保つためにどんな働きをしているのかというと
よく使う言葉で言えば「しっかりと背筋を伸ばす」為の筋膜ラインです。

どんなイメージをすればいいか。趾骨を支点にケーブルを張り、前頭骨から後頭骨にかけてバンドの様に固定されている感じです。
船の帆の様な感じですね。



肩凝りや腰痛がある方が、頭痛や目眩を引き起こすのも前頭骨から後頭骨にあるバンドが締め付けられ、三叉神経などが圧迫される事で引き起こされる要因はこれですね。

この筋膜ラインの運動を確認するには横向き(矢状面)から観察します。過剰に働いている場合は、体の前屈を制限して、過剰な後方運動を導きやすくなります。




テニスは、前にボールを飛ばすスポーツですから。後方運動優位になると前に押し出す力が出しづらくなりやすいです。





テニスの動作の中では…
地面を踏ん張りづらい
地面を足で蹴る感じが分からない
体の反りやバネをを使った動きが難しい・ぎこちない

ということが起き得る訳です。









なるとSBLが混雑しているかどうか知りたいですよね?
評価方法としては、前屈姿勢をして、

左右の手の長さ(背中の高さのSBL)
左右のお尻やふくらはぎの位置(下肢の高さのSBL)
の違いを見ます。





左右差があることで体の歪みができてしまい、他の路線(筋膜ライン)に過剰な負荷がいっている事が分かります。






まず、背中のラインの左右差を見ます。体を前屈した時に手の長さが短い方がSBLが短縮しています。この場合、右手の方が短いので右のSBLの背中側が短縮しています。(それだけが要因とは断定できませんが…)




次に下肢のSBLの左右差を見ます。この時は、お尻やふくらはぎが後ろにある方が短縮してると考えられます。写真の場合だと左の方がお尻もふくらはぎも後ろに(これもそれだけと断定はできませんが…)







さて、左右差があることを確認できましたか?
そしたら混雑しやすい箇所に少し刺激を入れてみましょう


混雑しやすい所をまとめました。

混雑しやすい駅(骨)

混雑しやすい筋

足裏

LL(第1~5中足骨底):腓骨筋 SPL(第1中足骨底):腓骨筋

DFL:後脛骨筋

座骨結節

SPL:大腿二頭筋

DFL:大内転筋・小内転筋・

         後側筋間中隔

仙骨

SPL:仙結節靭帯

FF:広背筋・腰背筋膜・仙骨筋膜

後頭骨

LL:頭板状筋

SPL:頭・頸板状筋

SBAL:僧帽筋上部線維





次回の記事で足裏のアプローチを紹介します。







なぜ足裏かというと人間は二足歩行であり、
体重に対する重力による加速度の刺激をはじめに受けるのは足裏だからです。



足裏の働きが混雑によって働きが乏しくなると、刺激に対して筋肉が働かず、体重に対する重力による加速度に対する質量を耐えるための運動連鎖が阻害されてしまいます。







足に筋肉があっても膝や腰が痛くなる方は、この足裏に刺激が入っても筋肉が働きづらく、腰や膝へ負担がかかることで起きているかも…しれません。

ご覧頂きありがとうございました🦍🦍🦍

2021年9月14日火曜日

テニスとアナトミートレインの関連性について〜アナトミートレインの紹介①

こんにちは。作業療法士でテニスが大好きなかっちゃんです🦍


今日は、アナトミートレインという概念を解説していきたいと思います。

アナトミートレインの解説の中でテニスとどの様な関わりがあるのかをお伝えできればと思います。


さて、アナトミートレインってなんぞや?って感じですよね。

筋肉は筋膜という物に包まれており、線路(筋膜)と駅(骨や靭帯など)を介して連結しており、ダイナミックな動作の中で連動的な筋活動を引き起こせるようになっている

というのが大まかな概要です。


山手線や中央線、小田急線みたいに筋膜にも路線があって始発点と終着点、はたまた乗り換える駅(骨や靭帯など)があるのです。

この筋膜たちが重力に相反する様に張力を保つ事で骨が私たちが普通に生活している様な形の配列を保ち、人としての構造を作り上げているのです。

これをテンセグリティー構造って表現しているんですけど結構難しいのでこんな物だと思ってください泣



それでは、筋膜の路線を紹介します。



(以下引用:Thomas W.Myers:アナトミートレインー徒手療法のための筋筋膜経線第3版)



①SBL(Superficial Back Line:スーパーフィシャル・バック・ライン)





②SFL(Superficial Front Line:スーパーフィシャル・フロント・ライン




③LL(Lateral Line:ラテラル・ライン)







④SPL(Spiral Line:スパイラル・ライン)







⑤AL(Arm Line:アーム・ライン)





⑥FL(Functional Line:ファンクショナル・ライン)




⑦DFL(Deep Front Line:ディープ・フロント・ライン)





以上7路線あります!いや!多い!首都圏か!って感じですよね笑

これら1つ1つに役割や特徴はありますが、結果的に何をやっているのかというと


重力や3次元的な重心移動によって生じる体重とそれに対する重力加速度(第2の慣性の法則)に対して運動を連鎖させて人間が活動を効率良く行える構造体として保つ為に働いているのです。


ただ、電車と言うことは乗り換えをする様な大きな駅があります。

例えば新宿へ行こうと思います。しかし、とある事情で山手線が止まってしまいました。そうするとどうなるでしょうか?新宿駅のホームは人で溢れ返りますよね?振替輸送とかあると他の路線も混み始めます。


こんな風に筋膜連結の中にも大きな駅があり、上記の7つのうちのいくつかが重なっている駅があるのです。


たくさんの路線が重なった駅(骨や靭帯など)はそれだけ負担も大きくなります。もし、ストレッチなどのケアをせずにいると硬くなってしまい、連動的な筋収縮を止めてしまうのです。ホームが人でいっぱいになってしまうのと同じ感じです。

そうすると他の路線へ人が流れていき、他の筋膜ラインの筋負荷を増やしてしまうことがあります。


なので案外「肩が痛い」「腰が痛い」という悩みでも直接的に肩や腰に要因があるのではなく、少し離れた大きな駅(骨や靭帯)が混雑した事で人が余計に流れる(筋肉への負荷)がかかり、結果的に痛みが生じる様な間接的な要因も考察出来るのです。


次回の記事ではSBLの特徴と混雑しやすい駅(骨や靭帯)を紹介して、余裕があればケアの方法を紹介できればと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました!🦍

テニスとアナトミートレインの関連性について②〜SBL〜

どうもかっちゃんです🦍 さて、前回アナトミートレインの概要を紹介致しましたので、 今回はSBLという筋膜ラインについて特徴と働き、そして混雑しやすい場所の紹介を致します。 前回の記事を読んでいない方は是非読んでからご覧ください♪ https://kacchan-ot.blogs...